タクシー運転手として転職するのをきっかけに、地方から都内に移動するケースもあります。
ただ地方在住の人の中には都心の地理がわからない、複雑そうで不安だという声も見受けられるようです。

そこで今回は、タクシー会社で受けられる勉強会や地理試験について解説します。

地方在住の人が抱えている不安について

地方在住の人が都内のタクシー運転手として転職する際、いくつかの不安を抱えているケースが多いとされています。
その不安の内容は色々なものがありますが、特に地理に関する不安を抱えている人は多いです。

地方と比較すると都内は複雑な道が多く、細かく分岐しているところが多い傾向にあります。
そのため目的地にたどり着くまでのルートが複雑に存在しているため、ある程度地理を理解しておかないとどのようなルートで向かえばいいのか頭の中で考えることが難しいのです。中には地方ではあまり見られないような広さに合わない片道通行や時間帯による一方通行なども多いため、非常に複雑化しているところが地方在住の人たちを混乱させています。

また首都高速などの高速道路は地方のタクシー運転手だとあまり馴染みがないと言われているので、高速道路の利用に関する不安も少なくないと言われています。ほかにも地方在住の人たちが頭を悩ませているのが、交通量の多さです。都内の交通量はどのような時間帯であっても地方よりも多いとされていて、ある程度ルートと時間帯による交通量を把握しておかないと思わぬ回り道をしてしまいます。

このように地方にはない都内ならではの特徴が、多くの地方在住の人たちに「都内は怖い」と思われているようです。

地方在住の人が安心して働ける制度・地理試験

このように地方在住の人たちは都内に対して不安や恐怖心を抱えているケースが多いのですが、その不安を解消するために実施されているのが地理試験です。

地理試験とは東京23区や横浜などの一部のタクシー運転手をする場合に必須とされている検定で、特に都内のタクシー運転手になる際には地理試験に合格することが義務付けられています。
試験の内容は筆記試験のみで、法令や安全・接遇に関する項目と地理に関する項目の2種類で構成されているところが特徴です。

どちらの項目も80％以上正解することで合格となっていて、いずれも難易度が高いことで知られています。
このため地理試験の対策をしっかり行っていなければ合格することは容易ではないとされていますが、合格することによって都内のタクシー運転手として仕事をすることができます。さらに地方在住の人たちにとって不安の種である地理に関しての知識を身につけることができるきっかけになるので、地理試験があることで不安を解消することができる、地方出身も大丈夫だと言われているようです。

ちなみに一度合格すれば更新するための試験を受ける必要はないので、タクシー運転手として働いていればずっと利用することができます。

地理試験合格のために勉強会を実施しているタクシー会社が多い

そんな都内でタクシー運転手として仕事をするために必須となっている地理試験に関しては、各タクシーセンターで過去の問題集が発売されているのでそちらを利用して独自に勉強することができます。
ただ地方在住の人たちの場合はなかなかタクシーセンターに買いに行けない人も多いですし、別の業界や業種から転職を検討している人の中には地理試験があることを知らない人もいます。

そのような人向けに都内のタクシー会社が実施しているのが、不安を解消する勉強会です。これは地理試験に対するタクシー会社独自の研修会や勉強会となっていて、入社が決まった段階で内定者が特定の場所に集められて勉強をするというケースが多いとされています。
こうすることによって地方在住だからこそ抱えている不安を共有することができますし、一緒に勉強することによって仲間意識を高めたり地方出身も大丈夫だという安心感を持つことができるのです。

このように都内のタクシー会社も地方在住の人たちが不安を解消しながら安心して働けるように環境を整えているので、地理試験に関する不安を抱えている人は独自の勉強会を開催しているタクシー会社を選ぶとより安心できると言われています。

地方出身者に安心して仕事をしてもらえるように配慮してくれているところが都内のタクシー会社の魅力

都内のタクシー会社は地方在住の社員を雇用する際、地理試験があることを踏まえて不安を解消する勉強会などを実施することで地方出身も大丈夫だとアピールしています。それ以外にも都内のタクシー会社だからこそ安心して働けるように配慮しているポイントとして挙げられているのが、エリアを決めてスタートすることができる点です。

都内のタクシー会社の場合は東京23区内にいくつもの営業所を構えているところが多く、営業所によってタクシーが巡回する営業エリアが異なっています。このため自分たちが安心して働けると思えるエリアをある程度ピックアップしておけば、タクシー会社側もそれに配慮して配属先の営業所やエリアを決めてくれる場合が多いようです。

このような配慮がしっかりされていることから、都内のタクシー会社で働いている運転手は実は地方出身者が多い傾向があります。そのため同じ境遇の人たちの気持ちをよくわかってくれているので指導もポイントを押さえてくれますし、地方出身だからこそのアドバイスも期待できます。

このため地理試験があるのはもちろん、タクシー会社の配慮によって地方在住の人たちも安心して都心のタクシー運転手として活躍できるようになっています。