20代の営業職はタクシードライバーに転職で大幅な収入アップも可能

タクシードライバーへの転職というと、リストラされた中高年男性の受け皿というイメージがあるかもしれません。でも、逆に20代のうちから、タクシードライバーに転職することによって、収入アップの可能性を高めることができます。なぜ、そう言えるのか、どんなステップアップの道があるのか紹介します。

タクシードライバーに転職すれば、目指せるキャリアパスがある

20代の営業マンから、タクシードライバーに転職すれば、営業の経験を活かすことができますが、まずは就職したタクシー会社でのキャリアパスを目指すことになります。

例えば、東京都の場合、「東京観光タクシードライバー認定資格」というものがあります。この資格は、東京ハイヤー・タクシー協会が、一定以上のレベルで東京のガイドサービスができるタクシー乗務員を認定するものです。この資格に認定されるためには、まず、東京シティガイド検定に合格しなければなりません。これは、東京という都市の成り立ちや、生活、文化などを総合的に理解して、国内外から東京を訪れる旅行者に観光案内できる人材を育成することを目的として実施されています。その後、ユニバーサルドライバー研修という、高齢者や障害者などに対して適切に対応できる能力を身に付けるための研修を受けます。最後に東京観光タクシードライバー認定研修を受け、観光タクシードライバーとして必要なサービスや知識、言葉遣いや身だしなみなどを実践的な講義やロールプレイングで学びます。
晴れて、東京観光タクシードライバーになると、タクシーの車体に観光ステッカーを掲示して、都内観光の案内をすることができるようになります。

黒タクシーやハイヤードライバーとしての道が開ける可能性もある

タクシー会社にもよりますが、入社して数年の経験を積むと、黒タクシードライバーへの道が開けることもあります。黒タクシーは、タクシーのいわゆるビジネスクラスに当たる車両で、接客サービスや運転スキルが一定の基準を満たしていれば、研修などを経て、乗務資格を得ることができます。
これと似たようなキャリアパスとして、ハイヤードライバーがあります。外国人の要人や企業の役員、各界の著名人などVIPを送迎するのが仕事で、高級車を運転することになります。タクシー会社で、ハイヤーを所有している会社もありますし、ハイヤー専門の会社もあります。いずれにしても、タクシー乗務員としての経験を積むことによって開ける道と言えますし、要人などとも接することから、接客態度などが重視されますので、営業職で培った経験が役に立つと言えるでしょう。
また、完全予約制で、長期契約の客が多いために、タクシー乗務員より安定した収入が期待できます。

個人タクシーを開業する道も開ける

タクシードライバーに転職することによって、個人タクシーとして開業する道も開けてきます。個人タクシーとは、道路運送法に基づく「一般乗用旅客自動車運送事業経営許可」というものを取得して、自分で1台のタクシーを使って、タクシー事業を経営することを意味しています。新規に許可を取得する以外にも、現在、個人タクシーの許可を受けている事業者から事業を譲渡してもらったり、相続したりする方法もあります。個人で自由に営業しながら稼ぐことができますので、歩合で給料が決まっているタクシー会社に勤務するよりも高収入を期待することができます。

個人タクシーには資格要件があり、年齢制限やタクシー乗務員としての運転経歴、道路交通法の違反歴などに関して一定の要件があったり、法令や地理試験の合格などの制限があり、それらをすべて満たしていなければなりません。個人タクシーも、タクシー乗務員として一定期間勤めることで開ける道ですので、20代のなるべく早いうちに転職することは、時間的に有利ですし、稼ぎも個人の営業力にかかっていることから、営業職としての経験も十分に活かすことができるでしょう。

運行管理者や管理職になる道もある

タクシードライバーに転職することで、運行管理者になる道もステップアップの方法の一つになります。運行管理者は、国家資格の一つで、タクシーやトラックなど、事業用自家用車の保有台数によって、会社が確保すべき人数が定められています。タクシーの安全運行を確保することだけでなく、乗務員の運転時間や健康状態などを把握する労務管理など、その仕事には様々なことが含まれています。事故の対応や乗務員へのクレーム対応も業務に入っています。運行管理者になると、内勤になることで、給料が固定給となり、タクシー乗務員の歩合給よりも給料が安定するというメリットがあります。

また、20代のうちにタクシードライバーに転職していれば、いずれ係長や課長、役員といった管理職へとキャリアアップしていく道も開かれる可能性が高いと言えるでしょう。タクシー会社の管理職では、いかに動いていない営業車を削減して、稼働率を上げるかということが大きな課題となってきます。

管理職を目指すなら、そういう視点で仕事に取り組む必要があるでしょう。管理職になれば、役職に応じて年収アップを期待することができるでしょう。

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