中国人観光客をはじめとして、インバウンドは益々盛り上がりを見せており、外国人旅行者の数はさらなる増加が見込まれています。
そして、タクシー業界においても、英語を使ったサービスに力を入れつつあり、英語ができるドライバーの需要が高まっています。

タスティーという資格について

現在、タクシー乗務員の資格にタスティーというものがあります。これは東京の観光タクシーに特化した資格で、英語対応が可能なドライバーに与えられます。豊富な東京観光の知識に加え、TOEICなどの英語資格があって初めて保有できるもので、東京ハイヤータクシー協会が認定しています。この資格を持っているドライバーは希少であり、好条件求人が増えています。海外からの旅行者がタクシーを利用する際には、母国語で案内を希望するものです。それ故、英語ができるドライバーであれば、指名観光案内を依頼されるようになります。また、外国の大使館のゲストの送迎などでも、タスティーなどの資格を活かすことができます。英語のスキルを活かすことで、高収入にも繋がります。

タクシードライバーがホスピタリティを磨くことで、外国からの利用者に感動を与えることが出来ます。接客に対するイメージは乗車中にとどまらず、降りたあとにも続くものです。また、商談を控えている乗客であれば、安らかな気分でタクシーを降りられるよう配慮します。仕事で疲れている乗客であれば、タクシーはひと時の安らぎの場にもなります。そのように、ドライバーにホスピタリティの志があれば、必ず相手にも伝わるものです。

英語を活かせる職場として

接客英語が可能なドライバーは一日観光客を乗せることも多く、一般の乗客以上に親密な付き合いとなるものです。それ故、人間としての幅を広げる機会ともなるので、人として成長できることにも繋がります。英語を活かしたタクシードライバーの仕事は、自分で意思決定を行なう場面が多いのも特徴です。外国の乗客の期待に応えられるかどうかは、試行錯誤の連続の中で身についていきます。そして、自分のホスピタリティが乗客の笑顔となって跳ね返るので、とてもやり甲斐の高い仕事だと言えます。

タクシードライバーは、英語を活かせる職場としても選択肢となります。英語が話せるドライバーの養成にも携われるので、活躍の場が益々広がります。実際、タスティー資格を持つドライバーには元英会話講師も多く、様々なシーンで活躍しています。タクシー会社側も、そうした英語が出来るドライバーに期待しており、国際都市に向けての担い手として位置づけています。即ちタクシードライバーは未来がある仕事のひとつです。収入面においても、英語のスキルや知識があるだけで、給料保証が得られたりします。それ故、幅広い世代のドライバーにとってチャンスがあります。

観光タクシーの需要

旅先で母国語が通じれば、誰でも嬉しい想いがするものです。特にタクシードライバーが英語を話せれば、乗車中に色々とコミュニケーションを図れます。また、最近は観光客以外でも、外国人がタクシーを利用する割合が増えています。そうした場合は高い英語力がなくても、簡単なフレーズを覚えるだけで乗客の利便性が高まります。最低限、目的地だけ聞き取れれば大丈夫だと言えます。何よりドライバーとしては、乗客に安心感を与えることが肝心なので、英語力の向上に務めたいものです。それが、タクシー業界全体のレベルアップにもつながると期待できます。

タクシー会社によっては観光タクシーの営業も行なっており、企業やホテルなどと提携して外国のゲストの送迎を行なったりします。それ故、英語ができる即戦力ドライバーの需要が高く、今後も伸びていくと予想されます。将来的には、海外出身のドライバーに指導を行なう、教育担当や企画担当の道も開けてきます。収入的にも安定してくると考えられるので、英語が話せることが強みになると言えます。何より観光タクシーの英語ドライバーは、車内の会話をキッカケに日本の魅力を再認識してもらえます。こうしたことも、仕事として大きなやりがいを感じる瞬間になります。

国としての取り組み

日本は国の取り組みとして、海外からの旅行客をさらに増やそうとしています。一方、海外旅行客の希望を聞いてみると、英語が通じることを挙げる旅行者が多くなっています。それ故、英語に多少の自信がある人なら、タクシー業界は伸びしろのある業界だと言えます。国としても国土交通省が「英語おもてなしコンテスト」を開催するなどして、タクシードライバーの英語力と接客力の向上を図っています。このコンテストで好成績を収めれば、ドライバー個人だけでなく会社としても箔をつける事ができます。

東京のタクシー会社の中には、海外経験を活かせる場面を豊富に用意している会社もあります。会社としてもタスティー等の資格取得を後押ししたり、通訳案内士の養成に取り組んでいたりします。また、英語が苦手なドライバーのために勉強会を開いている会社もあるので、仕事で使えるスキルを身につけることができます。タクシードライバーとして将来のキャリアを考える際、英語はキャリアアップのための有力なスキルとなります。英語力の向上に意欲があるドライバーであれば、タスティーなどの資格取得にチャレンジする意義は充分にあると言えます。