都内のタクシーはどのくらい稼げるの?

タクシー乗務員として正社員になって働くと一般的にはどのくらいの年収になるのでしょうか。実はタクシー乗務員の年収には格差が大きく、その違いを生み出している要素はいくつもあります。東京都で働くとどのくらいまで稼げる可能性があるのでしょうか。

全国的に見たタクシー乗務員の平均年収

タクシー乗務員で、タクシー会社の正社員として働いている人の年収は統計によるデータがあります。平成28年における平均年収は全国で見ると332万円でした。これを給与と賞与に分けて考えると給与が316万8000円、ボーナス・賞与が15万2100円となっています。平均月収にすると26万4000円なので、一般的な水準に比べると賞与が少ないのがわかるでしょう。多くの企業では少なくとも1ヶ月分、多いと4ヶ月分くらいの賞与を出しているからです。ただ、これはタクシー乗務員の給与の仕組みが一般的なサラリーマンとは異なるからだと考えることもできるでしょう。

タクシー乗務員は正社員として働く場合、基本給に売り上げに応じた歩合を加えることで月給が決まる仕組みになっていることがほとんどです。売り上げが多い人ほど高給取りになり、あまり売り上げがなかった人はかなり月給が低くなってしまう仕組みになっています。ボーナス・賞与はもともと社員の努力をねぎらうことや、十分に上がった売り上げの一部を還元することが目的です。それが既に歩合という形で給与に含まれてしまっているため、ボーナス・賞与が少なくなっています。

東京都でのタクシー乗務員の平均年収

タクシー乗務員の年収にはかなりの地域差があります。都内のタクシー会社で働いている人は実は他の地域のタクシー乗務員に比べるとかなり稼いでいるケースが多いのです。東京都内で働いているタクシー乗務員の平均年収は平成28年では442万8200円でした。全国平均と比べると100万円以上も高くなっているのです。内訳をみると給与が417万円、ボーナス・賞与が25万8200円、月収が34万7500円です。特にボーナス・賞与が高いというわけではなく、純粋に給与で稼いでいる人が多いのが東京都で働くタクシー乗務員の特徴と言えるでしょう。

これは東京都ではタクシーの需要が高いのが原因です。ビジネスシーンでもよく使われるのに加え、国内外の観光客が集まる地域なので日常的にタクシーが使われています。タクシープールのタクシーが出払ってしまっていて行列ができることすらあるのが東京都の実情です。ニーズが高ければ時間を無駄にすることなく乗客を獲得できるので売り上げも自然に伸びるでしょう。このような稼げる環境が整っているからこそ、タクシー乗務員の平均年収が高くなっています。タクシー乗務員になるなら魅力的なエリアなのです。

実力主義だからこそ若者向け

タクシー乗務員には中高年の男性が多いという印象を持っている人も多いでしょう。実際に都内のタクシー会社に限らず、タクシー乗務員全体を見ても平均年齢は高めです。しかし、若者向けの仕事ではないということはなく、むしろ若者こそ興味を持っているならすぐにでも転職した方が良いと考えられます。

若者にとって有利な理由は二つあります。一つ目はキャリアと経験を積んだ人ほど稼げるようになりやすいからです。東京都内のタクシー乗務員として何年か働くと、どこで付け待ちをしたら良いか、どんなイベントがあるとどこでタクシーのニーズが上がるかといったノウハウが身についてきます。地理感も鍛えられて無駄がなくなり、乗客からの評判も良くなるでしょう。会社からも認められるとハイヤーを担当することも増え、飛躍的に売り上げが伸びていきます。若いうちからタクシー乗務員を始めておくと有利なのは明らかでしょう。

二つ目は多かれ少なかれ体力を要求される仕事だからです。必死に乗客獲得を目指せばそれだけ稼げるのはタクシー乗務員の魅力です。若いうちに努力をしておけば生涯年収も高くなり、想像していたように稼げて満足できると期待できます。

ベンチャー志向の人もタクシー乗務員になろう

タクシー乗務員になったら一生そのまま正社員として働いても問題ありません。ベテランになると月収で70万円から80万円も稼いでいる人もいて、年収にしても800万円台になっている人もいます。ただ、それで満足してしまわずに自分なりのキャリアパスを新たに描くことも可能です。ベンチャー志向の人はタクシー乗務員としての経験を生かして起業しても良いでしょう。オリジナリティーのあるサービスを提供するベンチャー企業を立ち上げられれば、乗務員として働く以上に稼げるようになる可能性もあります。その企業の中で乗務員を続けるのも、他の人を雇って運転させるのも、全く異なるビジネスモデルを作り上げるのも自由です。

あるいはフリーランスのタクシー乗務員になることもできます。会社で働くのと違って自分で稼ぎ方を考えなければなりませんが、大手企業で十分に研鑽を積んできていればフリーランスでも自分なりに稼げる可能性もあるでしょう。勤務時間の拘束を受けることがないので、定年退職後の働き方として考えておくのも良いと言えます。タクシー会社で働いて得た経験や知識は一生物なので、いつまでも有効活用できるでしょう。

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