タクシードライバーの求人を見つけること自体は難しくありません。タクシー業界では慢性的にドライバーが不足し、特に大都市ではタクシー乗務員の需要は多く、ドライバー未経験でも採用されやすい傾向にあります。気になるのはどのタクシー会社を選んだらいいかということですよね。無数にあるタクシー会社から良いタクシー会社を選ぶ時におすすめのポイントを紹介します。

良いタクシー会社の条件とは

タクシー乗務員の給与は完全歩合制または固定給＋歩合制で決まります。売上の何割かが歩合になりますが、その割合は会社によって差があります。だいたい売上の４０～５０％というのが歩合の目安です。歩合制と聞くと、未経験者の場合稼げるかどうか不安になるかもしれませんが、タクシー会社によっては、一定の期間給料が保証される給与保証制度を設けています。また、ボーナスを支給する会社もあれば、出ない会社もあるなど、給与面については、かなり差があるので、応募前によく調べておきましょう。福利厚生面も働く側にとって大事な条件です。社会保障（厚生年金や健康保険など）や労働保険（雇用保険など）といった保険は整っているかという点は、会社選びの判断材料になります。

タクシー乗務員の勤務形態は大きく分けて、日中のみ勤務する昼勤務、夜間のみ勤務する夜勤、どちらも勤務する隔日勤務の3形態あります。自分が希望する勤務形態に柔軟に対応してくれる会社なら働きやすいですし、突然の病気で欠勤する必要が出たときや有給休暇など、休みを取りたい時も申請しやすいです。

車を運転している以上、車が故障したり事故に遭遇するリスクは避けられません。事故や故障で発生した補償は、自分で賄うには高額で、大きな負担となります。こうした非常事態に備えている会社を選ぶと安心です。

大手のタクシー会社か中小タクシー会社か

タクシー会社と一口に言っても、大手タクシー会社から、中小タクシー会社まであります。就職するならどちらがいいのか、迷いやすいですが、それぞれのメリットやデメリットを見てみましょう。大手タクシー会社は、保有しているタクシー台数やタクシー乗務員数、どれを取っても規模が大きく、1日の売上は大きくなります。また、立地条件の良いところに営業所があることが多く、空港や駅などに専用の乗り場を持っている場合もあるので、利用客を見つけやすいというメリットもあります。大手のタクシー会社は、労働基準法を守り、給与や福利厚生でもしっかりしている傾向があり、給与は固定給＋歩合で支払われたり、給与保証制度、研修制度、第2種免許取得制度など、タクシー乗務員の保証や育成に力を入れています。タクシー乗員数が多いので、一週間・一日の流れが立てやすく、急な早退や欠勤でも埋め合わせしてもらえるメリットもあります。また、より稼ぎたいなら時間を増やすこともできますし、時間が取れない場合、残業はない働き方で、という選択もあります。大手タクシー会社のデメリットとしては、大勢の従業員をまとめるため、ルールが厳しくなりがちという点。また、ノルマを設定している会社も多く、達成できないと減給の対象になることもあります。

中小のタクシー会社は規模が小さいので、アットホームな環境で働ける可能性があります。必然的に経営者との距離も近く、じっくり話し合う機会が持てたり、労働時間や休みについて融通を利かせてくれることも可能でしょう。逆にワンマン経営の会社にあたってしまった場合、経営者に振り回されるリスクもあります。また、タクシーの保有台数が少なかったり、立地条件が悪かったりすると思うように売上が伸びないというデメリットもあります。

大手のタクシー会社にしても、中小タクシー会社にしても、良い会社は存在しますし、そこで長く働けるかどうかというのはその人によって変わってきます。良いタクシー会社を見つけるなら、大手から中小タクシー会社まで含めて、幅広く検討することがポイントです。

役に立つ情報収集をする

失敗しない会社選びに情報収集は不可欠です。ではどんな情報をチェックしたらいいのでしょうか。タクシー乗務員求人や転職に特化した雑誌やサイトには、タクシーの求人情報から、転職や就職に必要な情報が豊富にあるのでおすすめです。また、よくわからない労働時間や、ドライバーとしての働き方など、基礎的な知識を身につけることもできます。タクシーの求人は、いろいろな場所で見かけますが、職業安定所（職安）もその一つです。職安では、希望に合った会社を紹介してもらえますし、面接の段取りもつけてくれます。例えば、残業はないと言ったのに、その反対だった、休みが多いと聞いていたのに、休みすらもらえない、休憩時間を取らせてもらえないほど働かされるなど、就職後のトラブルについて相談できるというのも職安の強みです。タクシー会社の中には、就職したい人に向けて会社説明会をしています。会社説明会では、一週間・一日の流れ、労働時間、残業はないのかどうか、といった質問をする機会にも恵まれますので、積極的に参加してみましょう。もし、働いてみたいと思ったタクシー会社があったら、思い切ってその会社に訪問してみましょう。その会社の雰囲気や、働いているドライバーの働き方などが見えてきます。一歩踏み込んで、働いているタクシードライバーにいくつか質問してもいいでしょう。現場から得た情報は、貴重な情報源となります。

良いタクシー会社と巡り合うために

良いタクシー会社に就職するためには、自分の条件に合った会社を選ぶことがポイントです。そのためには、タクシー乗務員の労働環境や給与体制などを調べると共に、地道な情報収集が必要になってきます。サイトや雑誌の他にも、実際にタクシー会社に足を運んでみると、有益な情報を得られやすいです。就職したいタクシー会社をいくつか候補に挙げて、働き方や条件、待遇などいろいろな面から比較し、検討してみましょう。