50歳以上のイメージが強いタクシー運転手ですが、近年では20歳代といった若い人が運転手になるケースが増えています。
50歳以上の人が多数を占めているように、他の業種よりも平均年齢が高いことが特徴のタクシー業界です。

働き手を増やそうと、会社が20歳代を中心とした新卒採用に力を入れていることが、若い年齢のドライバーが増えていることに繋がっています。

タクシー配送業者は近年になって新卒の採用枠を増やしている

65歳以上の人口が増え続けているなど、高齢化に直面している日本の場合、タクシーへの需要が年々高まっています。

高齢者自体の運転能力低下などにより、75歳以上の人を中心に運転免許証を自主返納するケースが増えており、買い物をするための交通手段として利用者が増えることが想定されます。

しかし、タクシー運転手の平均年齢が50歳を超える業種であるため、若い人が集まらず、運転手が不足しているという側面もあります。

タクシー配送業者の主な採用ルートとしては、50歳代の人が集まりやすい中途採用が中心でした。
しかし、近年の人材不足により、20歳代の新卒採用に力を入れ始めている会社が増えています。

実際、タクシー配送業者によっては、募集する新卒採用枠の数について、他の大手企業と遜色がないところもあります。
将来のタクシー運転手の増加が予想される中で、若いうちから運転手を多数確保することにより、安定した経営ができるようになるメリットがタクシー配送業者の思惑として働いています。

運転能力に不安があり、数年後には辞めてしまう可能性がある50歳代以上を採用するよりも、将来性がありかつ運転能力が高い20歳代を採用するほうが会社にとってはプラスです。

勤続数十年というベテランドライバー育成、または幹部育成といった点でも、非常に有利となるからです。

自由な働き方ができる点でタクシー運転手が選ばれている

一方で、新卒を中心とした20歳代の若者の間で、タクシー運転手になるケースが増えています。
こうした世代の人がタクシー運転手に憧れる理由としては、タクシー業界独自の勤務体系が大きく影響しています。

様々な人を目的地まで運んで収入を得るタクシー運転手は、原則として昼夜問わず働くことになります。
とはいえ、1日に勤務する時間は制限されており、早朝から夕方まで運転を行う日勤と日中から深夜まで働く夜勤という2タイプが基本となっています。

しかし、タクシー配送業者によっては、隔日勤務という独自の勤務形態があります。
様々な人を目的地まで運んで収入を得るタクシー運転手は、原則として昼夜問わず働くことになります。

とはいえ、1日に勤務する時間は制限されており、早朝から夕方まで運転を行う日勤と日中から深夜まで働く夜勤という2タイプが基本となっています。

しかし、タクシー配送業者によっては、隔日勤務という独自の勤務形態があります。
隔日勤務とは、1日の間に昼夜問わず20時間程度業務を行うものの、翌日には必ず休日扱いとなる勤務形態です。

3時間程度の休憩を挟むとはいえ、1日の勤務時間が12時間を超えるハードな労働体系と言えますが、月ごとの労働日数が11日から13日程度とかなり少ないことが特徴です。

平日は毎日10時間以上働くことが求められている一般企業とは対象的に、3日以上の連休がまとめて取れるといったメリットがあります。
労働環境を重視する若い人にとっては、理想的な就労形態と言えることから、タクシー運転手を選ぶ要因の一つとなっています。

運転手の健康管理が求められているタクシー業界において、自由に働ける環境づくりが整っている会社への就職は、ワークライフバランスを重視する若者にとって、人気の高い業種と言えます。

頑張った分だけ給与が上がる仕組み

タクシー配送業者に就職し、運転手として働く場合の給与体系は、基本給に加えて歩合給が加算されることが一般的です。

タクシー運転手は営業ノルマというものが設定されている関係もあり、歩合給の割合をどれだけ増やせるかがポイントとなります。

歩合給の反映の仕方は会社によって異なりますが、一部を賞与として分配することから、自分がどれだけ稼いだのかが分かりやすく、毎年安定した給与をもらえるといった特徴があります。

一定以上の体力と技術があるからもっとお金を稼ぎたいという働き方や、一定のノルマを果たして、生活に必要なお金をもらうだけといった、働き方も選べます。

タクシー業界以外の一般企業と比較した場合、固定給以外の部分、特に歩合給のウェイトが高いことが最大の違いと言えます。
そのため、一般企業で勤務した人がタクシー業界に転職した場合、もらえる給与額に大きな差が出てきます。

場合によっては、転職前の企業で働いた給与額よりも、かなり増えていることも珍しくないと言えます。
交通事故など常に危険が伴う仕事ではありますが、働いた分がそのまま給与に反映されるため、仕事に対するモチベーションが高まる職種であるとも捉えられます。

初めてタクシー業界に就職する20代の若者にとって、他の会社で働いたときよりも多くの給与がもらえる点は、最大のメリットかつ、動機づけともなりえます。

20代でタクシー運転手になるメリットは大きい

隔日勤務という休日が確実に取れる勤務形態や、働いた分が確実に反映される歩合給など、他の会社にはない若者にとって理想的なワークスタイルがタクシー運転手では経験できます。

50代以上のイメージが強いタクシー運転手ですが、将来のお金の稼ぎ方や職場での過労による健康状態を考えた場合、20代で運転手になるメリット大きいと言えます。