東京でタクシードライバーへの転職を考えているなら、どこで働くかが重要になります。
タクシードライバーはどこでも営業できるわけではなく、会社によって営業できる範囲が決まっているのです。

東京では営業エリアによって稼ぎやすさに違いがあるので、どこで働くかが重要になる、というわけです。
ここでは東京のタクシードライバーに人気のエリアと、その魅力に迫っていきます。

タクシードライバーは平均年収の差が激しい

タクシードライバーの平均年収は2017年度でおよそ332万円になり、この数字は決して高給取りと呼べるものではありませんが、極端に低収入というわけでもりません。
巷ではよく稼げない職業としてタクシードライバーが挙げられますが、数字を見ればそれは間違いだとわかります。

ただ、この数字は全国平均であり、都道府県別に見るとかなり差が激しくなるのです。
全国平均最下位の地域は秋田県で、その数字は全国平均よりも100万円以上低い226万円になっています。

そして、全国平均最下位である秋田県を筆頭に、多くの地域が全国平均を下回る数字を記録しており、全国平均を上回っている地域はかなり少ないです。
それどころか、平均年収300万円ですら超えられない地域が少なくありません。

では、なぜ全国平均が332万円という高い数字を記録しているかと言うと、上位にランクする地域が大幅に数字を引き上げているからです。
神奈川、愛知、大阪など人口密度の高い地域は平均年収も高い傾向にあり、軒並み全国平均を大幅に上回っています。

その数字は順におよそ379万円、377万円、347万円となっており、首都である東京都に至ってはおよそ417万円と、全国平均を80万円以上も上回る数字です。

東京都の平均年収およそ417万円はもちろん全国トップであり、東京都はタクシードライバーにとって非常に稼ぎやすい地域だと言えます。
しかし、東京都ならどこでも稼ぎやすいのかと言えば、必ずしもそうではありません。

勤める会社によっては、東京都の平均年収どころか全国平均にさえ届かないこともなくはないのです。
その要因は、タクシー業界の営業ルールにあります。

タクシードライバーは営業エリアが決まっている

タクシー業界には営業エリアというものがあり、基本的に営業所があるエリアがそれに当たります。

東京都の営業エリアは5つに分割されており、東京23区と武蔵野市、三鷹市を含む「東京特別区・武三交通圏」が1つ目、武蔵野市と三鷹市の周辺市、それに東京都の西北エリアを加えた「北多摩交通圏」が2つ目です。

3つ目は東京都の南西に位置する「南多摩交通圏」、4つ目が多摩地域西部に位置する「西多摩交通圏」、最後に5つ目が伊豆諸島や小笠原諸島などの「島嶼区域」になります。

そして、この決められた営業エリア内で乗車か降車のどちらかを必ず行わなければなりません。
例えば、営業エリア内で利用者を乗せ、営業エリア外で降ろした場合、時間を有効に使いたければ営業エリアに戻る途中で利用者を乗せたくなります。
ですが、それは規則違反になってしまうのでやめておいた無難です。

なぜなら、規則違反が見つかった場合、タクシードライバー自身はもちろん、所属するタクシー会社も厳罰に処されるからです。
具体的には乗務停止命令や、事業取り消し、悪質な場合は事業許可の取り消し処分も下されることがあります。

タクシー車両には基本的にGPSが取り付けられているので、黙っていてもまず間違いなく発覚します。
そのため、営業エリアに戻るときは「回送」表示にして、無用なトラブルが起こらないよう心掛けましょう。

タクシードライバーの稼ぎ方は「流し」が重要

タクシードライバーの営業方法は主に「無線配車」「付け待ち」「流し」の3種類があります。

会社から届く無線によって、指定された場所へ予約時間通りに利用者を迎えに行くのが「無線配車」、病院やホテルなどで利用者を待つのが「付け待ち」です。
そして、街中を走りながら利用者を探すのが「流し」なのですが、この「流し」の成否が稼ぎに大きく影響します。

タクシードライバーの給与形態は、歩合の占める割合が大きいです。
したがって、多くの利用者を乗せることが大きく稼ぐ鍵となります。
効率よく利用者を乗せるためには、多くの利用者がいる場所で流し営業を掛ける必要があり、そういった場所はタクシードライバーにとって人気のエリアとなっています。

タクシードライバーに人気のエリアは？

結論から言うと、一番稼げるエリアは「東京都特別区・武三交通圏」です。
特に、千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区はビジネス街なので、タクシーを利用するサラリーマンと頻繁に遭遇することができます。
タクシーチケットの利用頻度も高いので、タクシードライバーにとっては魅力的なエリアと言えるでしょう。

ただ、会社の所在地だけでなく雇用条件も重要です。
雇用条件は会社によって様々なので、給与形態によっては稼ぎにくくなることも考えられます。

また、研修制度や福利厚生などの充実も要チェックポイントです。
東京都でタクシードライバーに転職し、大きく稼ぎたい方は「東京都特別区・武三交通圏」にある会社の中から、自分に合った条件の会社を探すと良いでしょう。