通院が楽しみになりました


私の娘は生まれつき障害を持っています。
脳と足に障害を持っているので、外を駆け回ったり、元気にスポーツをしたり、あたりまえにできることが普通にできないのです。
車椅子での生活を余儀なくされて、私としてはとても悲しく自分を責める毎日でした。
移動手段はほとんどが車椅子、体調が悪いとストレッチャーを使用したりもしていました。

一ヶ月に一度通院をしているのですが、ストレッチャーや車いすを利用していつも大変な思いをしています。

私一人での介助ができない場合があるので、タクシーを使うことも普通の方よりも多いかと思います。
タクシーを利用していると中には嫌な顔をされる場合もあります。
確かに一般タクシーの仕事内容として、介助というのは含まれないかと思うので仕方がありません。
もちろんそんな方だけではなく、一般のタクシーなのに介助をしてくれる方もいらっしゃいます。

そのような日々が続き、あるときとても素晴らしいタクシー運転手さんと出会ったのです。
病院へ行く際にいつものようにタクシーへ乗り込もうとしていました。
そんな時にも優しく「ゆっくり慌てずで大丈夫ですよ。」とかけてくださったのです。
かなりの時間がかかりながら、乗り終えると嫌な顔ひとつせずに病院へ向かってくれました。
そして病院へ着くまでも、娘は体調があまり良くなかったのかぐったりしていました。
着いてから歩ける状態ではなく困っていたら、運転手さんが「ちょっと、待っていてください。」
と言っているのです。
待っていると病院のストレッチャーを借りてきてくださり、病院まで付き添ってくれました。
帰り際も、「お客様が喜んでくれることがいちばんです!」というような事を言ってくださいました。
私は「ありがとうございます。」と何度も伝えました。

運転手さんのおかげでいつものようにスムーズに診察を受けることができました。
娘がなんともなく胸を撫で下ろしました。

こんな運転手さんに出会ったことは始めてで、感激と嬉しさがこみ上げてきました。
すぐに利用したタクシー会社へ電話し、今日の出来事をお話ししました。
私としてはお礼を言いたかったのです。
タクシー会社の方も喜んでくださり、みんなが幸せな気持ちになりました。
こんな運転手さんがもっと増えたらいいなぁと思うのと同時にサービス以上のなにかをもらったと感じました。

次回以降からはもちろん運転手さんに頼もうと思っています。
病院へ通うことが苦痛でなはく、楽しみに変わりました。

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