タクシー運転手の保障給とは?制度の概要と歩合給との違いも解説

タクシー運転手志望の人にとって、タクシーの運行状況が良くない場合の収入は大きな不安となりやすいです。タクシーの運行は、季節や天候によって影響を受けやすいため、歩合給が減ってしまうことも少なくありません。

変動の激しいタクシー業界において、保障給は大きな役割を果たしています。本記事では、タクシー運転手の保障給の概要や、他の給与形態との違い、給与形態の種類と完全歩合制のメリット・デメリットについて解説します。

保障給について知りたい人やタクシー運転手志望の人、タクシー運転手の給与形態について詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

タクシー運転手の保障給とは?

タクシー運転手の保障給とは、業務に従事する運転手に対して、最低限の収入を保証する制度のことを指します。タクシー運転手の賃金形態は歩合制の色が強く、時間帯・場所・季節によってタクシー利用客の変動が激しい性質上、最低限の賃金を確保できない可能性があります。

そのため、運転手が安定した生活した生活の確保や、タクシー業界の労働環境を向上させることを目的とした保障給を支給する仕組みがあるのです。売上が低い時や運行時間が少ない場合でも、一定の収入を確保できるため、収入に不安を持つ人でも安心して業務に就くことができます。

保障給とその他の違い

タクシー運転手には保障給以外にも、賃金の形態がいくつかあります。タクシー運転手の賃金の種類は、下記のとおりです。

保障給 / 固定給 / 歩合給 / 賞与

保障給と歩合給・最低賃金は混同しやすいため、それぞれがどういうものなのかを理解しておきましょう。保障給と歩合給・最低賃金の違いについて解説します。

歩合給との違い

タクシー運転手が乗客を乗せた分だけ賃金が上がる仕組みです。つまり、長距離乗せたり、乗客を乗せる回数が多かったりすると、その分支払われる運賃が高くなるため、運転手の取り分も多くなります。

一方で、保障給は運転手に対して最低限の収入を保障する制度であるため、出来高制である歩合給とは根本的に性質が異なります。保障給と歩合給を組み合わせることで、「乗客が見つからなくても最低限の賃金が保証されている」「乗客を多く乗せて働いた分だけ給与が上がる」ことになり、モチベーションを保つ相乗効果が見込めるのです。歩合給を割り出すための計算式はタクシー会社によって異なるため、あらかじめ歩合率を確認しておきましょう。

最低賃金との違い

最低賃金は、国が定めた、労働者に対して必ず支払わなければならない賃金の最低ラインのことを指します。最低賃金も保障給と同様に、生活するための最低限の収入を保証する制度ですが、タクシー運転手だけではなくすべての労働者に適用されます。タクシー運転手は距離・乗客数・時間によって売上が大きく左右されるため、最低賃金とは別に保障給が設定されることが多いのです。

タクシー運転手の給与の支払われ方における代表例

タクシー運転手の給与の支払われ方は、タクシー会社によってさまざまです。タクシー運転手の給与の例として、下記が代表的な例として挙げられます。

固定給+歩合給+賞与(企業の売上)固定給+歩合給+積立完全歩合制

詳しく解説します。

固定給+歩合給+賞与(企業の売上)

固定給+歩合給+賞与の形態は、月ごとの固定給が支払われるほか、運行の実績に応じた歩合給と企業の売上から算出された賞与が加算されて給与が支払われます。賞与は企業の売上を中心として、運転手自身の業績や勤務態度も加味されるため、金額には大きな幅があります。

固定給+歩合給+賞与のメリットは、固定給で最低限の給与を保証したうえで、歩合給+賞与で働いた分だけ運転手に還元される点です。そのため、運転手がモチベーションを保ちやすいという特徴があります。

固定給+歩合給+積立

固定給+歩合給+積立の給与形態では、固定給と歩合給のほかに、一定額が積立金として積み立てられます。積立金は、退職金や福利厚生費用、緊急時の経済的支援などの目的で会社が積み立てるものです。

他の業種と比較すると、タクシー運転手は収入に高低差が出やすいため、運転手の老後の生活や緊急時の資金確保に役立つ給与形態です。

完全歩合制

完全歩合制の給与形態では、タクシー運行の実績に完全に依存するため、月ごとの賃金が変動しやすい点が特徴です。最低賃金は保障されたうえで、乗客を乗せた分だけ賃金が加算されていく仕組みです。

乗客を全然乗せられなかった場合には、収入が大幅に減ってしまう可能性があるため、タクシー運転手としての力量が問われます。

  • 運転技術
  • 接客技術
  • 土地勘
  • 季節や時間帯、天候などの条件

上記の点を網羅できれば、完全歩合制で成果を出せる可能性が高まります。タクシー運転手として初心者の場合には、完全歩合制ではない賃金形態が望ましいでしょう。

完全歩合制のメリットとデメリット

完全歩合制はハイリスク・ハイリターンな賃金形態のため、メリット・デメリットを考慮したうえで検討する必要があります。完全歩合制のメリットは、下記のとおりです。

  • 高収入を狙える
  • やりがいがある
  • 努力・能力が収入に反映されやすい
  • 自由な働き方ができる

また、完全歩合制のデメリットは下記のとおりです。

  • 収入が不安定
  • 季節や天候に左右されやすい

上記のメリット・デメリットを踏まえたうえで、完全歩合制を選択しましょう。タクシーの運行は季節や天候・場所に影響を受けやすいため、タクシー運転手の状況に合わせた判断が重要になります。

タクシー運転手としての経験を積んでいくことで、乗客を乗せるためのスキルが培われるため、まずは地域での業務に集中しましょう。

タクシー運転手が安定した売上を作るには健康管理から

タクシーの性質上、運行できなければ収入を得られません。タクシー運転手は身体が資本となるため、自己管理は重要な業務の一つです。どのような給与形態であったとしても、歩合給の上乗せがある以上は運行をすることで収入アップが期待できるため、健康管理をしたうえで業務に望むことが重要です。

まとめ

本記事では、タクシー運転手の保障給の概要や、他の給与形態との違い、給与形態の種類と完全歩合制のメリット・デメリットについて解説しました。タクシー運転手は、出来高制の様相が強い職業です。最低賃金が保障されつつも、賞与や歩合によって高収入が望めます。

健康管理を適切に行い、スキルを磨いて収入アップを目指していきましょう。

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