新人ドライバーの頃の話


私が新人のドライバーだった頃の話です。
私はタクシー業界へ転職して、まだ1年も満たないころでした。
転職した理由は会社への給料に対しての不満がありました。
タクシーは自分が売り上げを増やした分だけお金が貰えるというところが気に入り、入社しました。

未経験の私にとってタクシー業界は、毎日が感動の連続でした。

その頃、私の勤める会社に常連のお客様がいらっしゃいました。
そのお客様は、体が少し不自由な方でした。
病院の車椅子を利用していて、いつも降車する際には、先に車椅子の準備をしてお待ちしています。
最初は何気なく、これが普通のことだと思い、始めたことでした。

いつもやっている普通の事を他のお客様へやっていると、これが喜ばれたのです。
「気が利くね!ご親切にありがとう!」
この言葉を言われた時の感激や興奮は今でも忘れられません。
まさか、そのような言葉をもらえるとは思ってもみませんでした。

会社理念のなかに
「お客様の喜びは、私たちの喜び」というものがあるのですが、
この言葉が十分によくわかった出来事でした。

このようなことがあり、もちろんよりいっそうの安全運転は心がけていますが、お客様の立場になって物事を考えながら、まわりを見ることができるようになり、色々な事に気が付くようになっていました。

たとえば、体の不自由な方だけではなく、大きな荷物を持っていて大変そうな方がいらっしゃった場合には、荷物を玄関まで運んだり・・・
体の不自由なお客様には手を貸したり、乗車や降車のお手伝いをしたり・・・
私にとって、どうってことないようなことですが、お客様からは本当に喜ばれます。

笑顔をいただくと、若かったため少し照れくさい部分もありましたが、やはり私の原動力となりましたし、「ありがとうございます。」という言葉も嬉しいものでした。

色々経験していく中でお手伝いするだけではなく、お客様にタクシーに乗車いただいている際の会話や雰囲気づくりをすることも大事なんだと感じました。
あるお客様ととても会話が盛り上がり降車する時に「楽しかった。」と言われたことがきっかけです。

今ではお客様に合わせてコミュニケーションをとり、お客様に気持ちよくタクシーに乗っていただいています。
そして目的地へ向かうまでの短い時間ですが、できるだけ楽しい空間になるように心がけを徹底してます。

これからもタクシードライバーとして誇りを持って、お客様に対して親切に業務していこうと思います。

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