タクシー乗務員は、未経験でも始めることが可能な仕事です。そのためタクシー業界へ転職しようと考えている人は少なくありません。
そのタクシー業界でよくいわれているのが「働き方次第で高収入が可能」です。では、タクシー乗務員の給与は具体的にどのような形態で、どれくらいの収入が得られるのでしょうか。
この記事では、タクシー乗務員の給与形態の種類などについて、くわしく解説します。

タクシー乗務員、給与形態の種類は？

タクシー乗務員の給料形態は、大きく分けてA型・B型、そして、AとBを合わせたAB型という3種類があります。3種類それぞれの給料形態は、A型が固定給、B型が完全歩合制、AB型が固定給プラス歩合制です。
A型は一般的な企業に所属する正社員と同様で、毎月決まった給与が支給されて、会社によっては年2回のボーナスも出ます。月の実働時間が何時間であっても、毎月の給与金額に変化がないのが特徴です。

B型は、乗車客の多さ・客の乗車時間の長さが給与にダイレクトに反映される給与形態です。一般企業の営業職のように、成績が良ければそれだけ収入がアップします。
他の企業のように、何時から何時までと実働の拘束時間が決まっているわけではありません。そのため、自分のペースで仕事ができることが特徴ですが、乗車客が少ないとそれだけ収入が減少します。

AB型は、A型の固定給・ボーナス、B型の歩合制を合体させた給与形態です。毎月ある程度の固定給が保証されて、さらに、乗車客が多ければ固定給プラス歩合制として手当が加算されます。タクシー会社は、このAB型を採用しているところがほとんどです。

全国のタクシー乗務員、平均年収はどれくらい？

2017年「一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会」という機関が「平成29年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況」というデータを発表しました。
そのデータによると、2017年における全国・男性タクシー乗務員の平均年収は、333万2900円という数字が出ています。そして、国税庁が同年2017年に発表した「平成29年分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は432万2000円です。

このデータだけみるとタクシー乗務員の平均収入は、全国の平均より下回っていることになります。しかし、この結果はあくまで平均値であって、このデータだけでタクシー乗務員は他の業種より稼げないと判断してはいけません。
先述した通り、タクシー乗務員の給与形態は3種類あり、どの形態を選ぶかによって収入に影響が出ます。また、地域によっては人口密度に違いがあるため、タクシーで稼げる地域とそうでない地域があります。
そのため、働きかた次第でタクシー乗務員の平均年収を超えることも可能なのです。

高収入も夢ではないタクシー乗務員

タクシー乗務員は、給与形態によって収入が異なるのが特徴です。先述した固定給タイプのA型を選んだ場合、いくら1日の実働時間が長くても、給与に反映されることはありません。
しかし、歩合制と違い毎月安定した収入が保証されています。それほど多くの収入を望まず、安定した収入を確実に得たい人に向いている形態といえるでしょう。
また、無理して必要以上に働いたあまり、身体を壊したり、疲労による集中力低下による事故を起こしたりするケースもあります。そのような事態を避けて、無理をせずに長く働くことを希望している人に向いているのも、A型のメリットです。

完全歩合制のB型であれば、仕事をした分だけ給与にプラスされるので、高収入を目指している人、あるいは、タクシー乗務員の経験が豊富な人に適している形態といえるでしょう。
稼ぐためのポイントを把握している人であれば、高収入も不可能ではありません。AB型の給与形態を選べば、安定した固定給があるので収入の不安面もなく、歩合制の手当もプラスされるので、より高い収入が実現できるでしょう。

高収入を実現するために、押さえておくべきポイントは？

高収入を得るためには、研究を怠らないことが大事です。タクシーというものは、ただ走っているだけで乗車希望者から次々と声がかかるものではありません。
また、人通りの少ない地域だけを意味もなく走っていては、儲けにならない仕事です。そのため、午前中はこのエリア、夕方から夜はこのエリアと、時間や地域をしっかりと頭に入れて戦略的に走るようにしましょう。
自分のなかでルートやスケジュールを複数持っている人は、多く稼げるといえます。

タクシー乗務員の経験が浅い、あるいは未経験の人は、いきなり完全歩合制であるB型を選ぶのはやめたほうがいいでしょう。乗客を捕まえるコツがつかめないまま長時間走って、集中力が途切れて交通事故を起こす可能性もあります。
まずは、安定した固定給のA型を選んで、経験を積んでからB・AB型の給与形態に移行するのが、高収入を得るための無難な手順といえるでしょう。
ほとんどのタクシー会社は、タクシー運転必須である2種免許取得のための研修制度があります。高収入実現の可能性があるだけでなく、未経験者でも安心して仕事を始められる環境が用意されていることも、タクシー乗務員のメリットです。

面倒な人間関係に悩むことがない、高収入も夢じゃないない仕事！

タクシードライバーという仕事は、特別なスキルも必要ないため誰でも始められる仕事です。基本的にひとりで行う仕事のため、他の仕事のように人間関係で悩むこともありません。
今後、タクシー乗務員に転職を考えている人は、どれくらいの収入が可能で、どのような給与形態があるのか、事前にしっかりと把握しておくといいでしょう。