タクシー乗務員の労働条件は厳しい?正社員の平均年収は?稼げるようになるための求人チェックポイント
Contents
タクシー乗務員への転職を考える際に、まず一番に気になることが、給与についてでしょう。転職が実現したとしても、もらう給与で生活をしていくことができなければ、元も子もありません。
そしてその給与額は、タクシー会社の給与体系やサポート体制によって、大きく変わってきます。こちらでは、しっかりと稼げるタクシー乗務員となるために、転職時にチェックすべきポイントを4つ、まとめました。
給与体系はどういう仕組みになっているか
最初に紹介すると、タクシー乗務員の正社員の平均年収は、300万円から400万円と言われています。しかしこれは平均で、個々の乗務員の年収はそれこそピンキリです。
この年収を大きく左右するのが、会社で採用している給与体系です。タクシー乗務員の給与体系は会社によってさまざまで、基本的に次の3つのパターンがあります。
1つ目は、歩合給です。これはごくシンプルな考え方で、毎月売り上げた分から、何割かを給与として乗務員が受け取り、残りは会社の分になるというものです。
一般的には、給与金額によってランク分けがされていて、そのランクごとに歩合率も変わります。例えば、40万円だと5割、50万円以上だと6割になる、といった具合です。
2つ目は、給与のうち歩合部分もあるが、固定給の部分もあり、その合計額から一定割合を積み立てて、ボーナス・賞与に充てるという給与体系です。
最後の3つ目は、給与のうち固定部分と歩合部分があるが、ほぼ固定給で、歩合で決まる部分が非常に少ないというパターンです。このシステムをとっている会社はあまりありません。というのは、固定給の割合が多いということは、売上額ではなく、勤続年数に応じて給与を上げていかなければならないからです。
売上を上げることのできないタクシー乗務員にも給与を多く支払わなければならないというリスクが、会社にはあります。
以上の3つのうちどの仕組みになっているのか、よく確認することが大切です。あまりにも歩合率が低いと、給与が伸びずにモチベーションが下がり、さらに売上が下がるという悪循環にもなり得ますから、気をつけましょう。
乗務員になりたての頃の会社のサポート体制が充実しているか
未経験からタクシー乗務員に転職すると、特に最初の頃は不安でしょうから、その時期の会社のサポート体制がしっかりしているかどうかも、重視しましょう。
チェックポイントのひとつが、給与保証です。給与保証というのは、営業を始めたばかりでまだ売り上げが少ない乗務員に対し、最初の何ヵ月かは、売上額に関わらず給与を支払う制度です。
この制度はほとんどのタクシー会社で採用されていますが、期間や金額は異なりますから、確認が必須です。また、給与保証は何ヵ月も続くわけではありません。
保証期間が終わる前までに稼げるようになっていないと、終わった途端に給与がガクッと下がって途方に暮れてしまうことになります。
稼げるタクシー乗務員になるために、会社で行われる研修制度も非常に大切です。研修制度はどの会社もありますが、その際のサポートの程度は千差万別です。
例えば、独り立ちに不安を抱える乗務員に対しては、研修期間を延長してくれるなどの対応をしてくれる会社もあります。確認しておきましょう。
また、社内で一番高給の乗務員が、大体どの程度の売上・給与額で、入社してからそこに至るまでどのくらいの期間がかかったのか尋ねるというのも、社内のサポート体制を知るひとつの方法です。
その先輩の売上が凄ければ、社内の育成システムが優れている可能性がありますし、何より、身近に目標となる人物がいるということで自分自身も成長しやすくなります。
福利厚生制度などの労働条件はどうか
未経験からタクシー乗務員への転職の場合、実際の勤務時間やノルマなどをはじめとした労働条件についても、大いに気になるところでしょう。
「タクシーと言えば長時間勤務」という良くないイメージがつきがちですが、近年ではそれほど無理な長時間勤務を強いるタクシー会社はありません。
ノルマのない会社も増えています。そのため、労働が過酷になるかどうかは、自分の意欲や働き方次第という面が多いです。稼ぎたいために食事もとらずに乗務し続ける人がいる一方で、休憩はしっかりとるという人もいます。
ただし休みに関しては、他のサービス業と同様に、会社員が休むときに勤務するということになります。その点については頭に入れておきましょう。
また、福利厚生制度は会社によって大きく異なります。家族手当などの各種手当がついている会社もありますが、そのような会社はボーナスが出なかったり、給与が低めだったりする傾向にあります。福利厚生の内容が、自分にとって本当に必要なものなのか、よく考慮しましょう。
事故の際の補償制度はどうなっているのか
最後は、稼げるようになることとは少し異なりますが、必ずチェックして欲しいポイントです。それは、交通事故の際の補償制度です。
事故は起こさないに越したことはないのですが、長時間運転に携わるタクシー乗務員は、事故の可能性を常に考えておかなければなりません。事故の際、発生した損害をどの程度会社が負担してくれるかは、会社によって異なります。社内の制度がきちんと整っていないと、乗務員自身が、事故で生じた多額の損害を負担することになりかねません。
実際には、乗務員の過失の程度が通常考え得る程度のものであれば、会社が負担してくれるということがほとんどだと思われますが、あらかじめしっかりと確認しておくことが重要です。
また、会社が加入している保険、自身が加入しなければならない保険についても、よく聞いておきましょう。ちなみに、事故ではなく違反による罰金などは、乗務員自身の負担になることが通常です。
タクシー乗務員への転職に成功するためには、社内制度をよく確認することがポイント!
タクシー乗務員へ転職する際には、給与体系や社内の福利厚生制度などの細かなところまで、しっかりと確認しておくことが重要です。そうしておかないと、入社してから後悔することにもなりかねません。
未経験の場合、業界の実際のところについてはよく分からないのが通常ですから、「こんなところまで聞いていいのかな」などと心配せずに、気になったところはよく確認して、納得してから転職しましょう