個人タクシー事業者のなり方|法人タクシーとの違いや必要資金
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タクシー運転手として働くには、大きく分けて法人タクシーの一員として働く方法と、個人タクシー事業者になる2つの方法があります。法人タクシーは、法人が保有しているタクシーの運転手として働く方法であり、個人タクシー事業者は、法人に所属せず個人として事業を行う方法になります。
しかし、個人タクシー事業があることは知っていても、事業の始め方や資格、条件が分からない方は多いのではないでしょうか。そこで本記事では、個人タクシー事業の始め方や必要条件を解説します。また、個人タクシー事業者の定年に関しても説明しますので、ぜひ参考にしてください。
個人タクシー事業者と法人タクシーの違い
まずは、簡単に個人タクシー事業者と法人タクシーの違いを説明します。それぞれの違いに関して、下記の表をご覧ください。
項目 | 個人タクシー事業者 | 法人タクシー |
経験・免許 | ・タクシー運転者等の経験が10年以上 ・第二種免許・法令地理試験合格 | ・第二種免許 |
資金 | 160万円以上(関東圏の場合) | なし |
設備 | 整備費用、車両費用等自己負担 | 会社負担 |
安全 | ・条件が指定された任意保険への強制加入 ・申請前の3年間無事故無違反 | なし |
住居 | 自宅(住居)と営業所の住所が同一であること | なし |
車両 | 一人一車制で専用車両 | 一車を複数名で使用 |
地理 | 事業を申請する区域での経験が申請前から3年以上 | 一部地域でのみ法令地理試験に合格 |
上記の表から分かるとおり、個人タクシー事業者になるには、相応の経験や知識を身に付ける必要があります。ただし、ハードルが高い分、自身が事業として営んで得た利益はすべて自身のものになるメリットがあることも事実です。
個人タクシー事業者に必要な資格と条件
先程、個人タクシー事業者と法人タクシーの違いを解説しました。ここからは、より具体的に個人タクシー事業者に必要な資格と条件をご説明します。
- 第二種免許の取得と10年以上の経験
- 5年以内に刑法等の前科がないこと
- 法令地理試験に合格
それぞれ順番に見ていきましょう。
第二種運転免許の取得と10年以上の経験
個人タクシー事業者になるには、第二種免許を取得する必要があります。ただし、法人タクシーで運転手として働いた経験があるのであれば、その時点で第二種免許は取得しているはずですので、この点に関してはハードルは低いと言えるかもしれません。
次に、法人タクシー等で10年以上の経験を積む必要があります。したがって、必然的に個人タクシー事業者になれるのは、最短でも30代前後でしょう。しかし、1点注意点があります。上記の運転経歴は「在籍証明書」や「社会保険の加入を証明できる書類」等で確認を行います。その際、ある会社に在籍していたことが確認できたとしても、社会保険に加入していない場合の期間はカウントされない仕組みとなっています。そのため、将来的に個人タクシー事業者を目指す場合は、必ず社会保険に加入するようにしましょう。
5年以内に刑法等の前科がないこと
次に、5年以内に刑法等の前科がないことや、麻薬等の取り締まりを受けていないことも条件になります。申請する日付から5年以内であるため、万が一上記に該当する場合は、必ず5年が経過してから申請を行いましょう。
法令地理試験に合格
法人タクシーの一員として働く場合、一部地域を除けば法令地理試験に合格していなくとも運転可能です。一部地域は、東京・大阪・神奈川などが挙げられます。しかし、個人タクシー事業者の場合は、どの地域であっても法令地理試験に合格する必要があります。今後、最短で個人タクシー事業者を目指す場合は、法人タクシーの一員として勤務している間に合格することが望ましいです。
個人タクシー事業者に定年は存在する?
結論から言うと、個人タクシー事業者の定年は75歳です。法人タクシーの一員として働く場合、タクシー会社によって異なりますが、60歳〜65歳の間で定年が設けられているケースが大半となっています。自身の身体や心の健康状態によっては定年後も働ける可能性があるものの、会社が定年後も保証してくれるとは限りません。ただし、個人タクシー事業者の場合は75歳まで働けるため、定年後も長く働きたいと考えている方にとってはメリットの1つだと言えるでしょう。
個人タクシー事業者になるための手順
最後に、個人タクシー事業者になるための3つの手順をご紹介します。
- 地方運輸局に申請
- 法令地理試験の受験を申請・合格
- 事業開始届の申請
申請は営業区域ごとに地方運輸局にて行えます。ただし、時期や試験日は区域によって異なるため、予め申請する区域の情報を調べておく必要があります。なお、法令地理試験を受験すると同時に、資金の用意ができているか、経歴に不備がないかなどを諸々確認されるため、試験までにすべての準備を完璧にしておきましょう。
上記の試験や確認に問題がなければ、事業開始届を提出し、個人タクシー事業者として事業を始められます。上記すべての手続きが完了するのは、概ね3ヶ月程度です。
まとめ
本記事では、個人タクシー事業者と法人タクシーの違い、個人タクシー事業者のなり方等を解説しました。個人タクシー事業者になるには様々なハードルを超える必要があるものの、自身が利益のすべてを受け取れ、定年が延びるメリットがあります。まずは、10年間の経験を積むと同時に、無事故無違反を心がけ、法令地理試験等の勉強をすることから始めてみてはいかがでしょうか。